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Early Works

武蔵野美術大学 油絵科在学中に制作した作品群。

木枠に張ったキャンバスに描くのではなく、床に敷く、切り取る、裏に描く、カットした木材に描く、布から選ぶ、描いてから自作の木枠に張るなど、支持体や制作方法を模索していた。

モチーフは人、手のシルエット、着物の様な柄など。柔らかい霧のような空間を描くこともあった。小説や映画からインスピレーションを得ていた。

2004年「Dressing」103×73cm

人間誰しもが気にかけているだろう、見る見られるということ。

人間は、 他人の目を気にするからこそ、社会的な面を持って生活できているように思う。 例えば誰かが事件を起こして捕まる。

知人へのインタビューを聞くと 容疑者の日常生活はしごく普通と言う事が多い。私もあなたも変わらずに皆、 普通に生活しているのである。我々の誰もが犯罪者になる可能性を持っている。 周囲との僅かなズレ、誤りが社会性を失うこともあるからだ。

ズレによる孤立は、社会という大きな組織のみならず、身近な単位、 仲間内でも起こりうる。一度失った信頼は簡単に取り戻せるものではない。 周囲の人がいるからこそ、自分がある。又、自分がいるからこそ、 周囲の人々ひとりひとりがあるのだろう。

ドレッシングを人の視線に例えた。完全に受け入れ染み込むのではなく、 弾いて流れることもあるのだ。(2004年の文章)

2003年「和讃」170.5×169.5×8cm

逆輸入された日本のイメージに興味があった。ファッションやインテリアでジャポニズムが取り上げられる機会が増えたのがきっかけ。

日本から遠く離れた地の人々が、日本の様式やビジュアルを取り入れて新しく物を作った。

日本人である私が、それらに触発されて本作の制作に至った。日本のテイストを取り入れた彼らの仕事は洗練されていて美しい。

日本では伝統を感じさせる形や模様も、彼らのタッチ(感覚)で現代風にアレンジされ新鮮だ。ルイ・ヴィトンのモノグラムも日本の家紋がモチーフである。 日本人は逆輸入されて初めて異なった視点を知り、日本の物の良さを認識する事が多いように思う。(2003年の文章)

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