YOICHIRO MASUDA

人が居て、立ち去る。空間にはその人のシルエットが切り抜かれたように残っていて、 形の中を色彩の河が流れている。

そんな風に思って描いた。 描かないことで表す人の形。カットアウトした余白、あるいは残された絵の具。

原爆を受けた壁に残る人の影。実態が無いのに、その影は独立した存在として焼き付いている。

この頃から 筆で形を描くのではなく、ステンシルで間接的に形を描くことに興味が向かった。