Mirror

生、死、性をテーマに制作。

Mirrorシリーズは絵の片側だけを実際に描いている。もう片側はファブリックを二つに折って転写した図像。

ロールシャッハテストと同様の制作方法である。

モチーフが鏡合わせに増える事で モチーフ単一の持つ象徴的な意味は薄れる。

その代わり モチーフの間、 一枚の絵の中に現れる意味と意味の間が 鑑賞者に委ねられた余白になっている。

相対的である事が相補性を持っていて、虚実の一体は世界の見えない部分を示唆する。

 

​「塔」は周囲の建物よりも圧倒的に高くあろうとする。挑戦の象徴として用いた。

塔が増えるのは挑戦する事柄が無くならない様であり、それは自分と向かい合うことを表している。

​「蝶」は蛹から成虫に変化する。復活の象徴として描いた。

片側の絵を描いて布を二つに折り、絵を転写して広げる動作は蝶が飛び立つ様子と同じである。

​アンフラマンスについて

マルセル・デュシャンの言う「アンフラマンス」が私の制作する「Mirror」シリーズに含まれていると思う。
「Mirror」は片側に描いた絵を二つに折って反対側に転写する方法で描いている。
この時、触れ合う布地は接していながら干渉せず、絵の具、それも表面の部分だけが反対側の布地に写る。(移る)私は絵の具が布地に触れる直前と接した直後がアンフラマンスではないかと考えている。
接触と分離の中間の極薄の空間は、瞬間的な現象であって実在しておらず(したとしても霧消して)目に見えないが私の作品の虚像部分(これすら現象としては実像になってしまうが)と実像(実際に手で描いた部分)との公約数が

アンフラマンスに挟まれた痕跡として絵を生成していると考えている。